協力の力

「なぜガンジーは、武器を持つことなく、インドの独立を果たすことができたのか」

この問いに対し、あるガンジーの研究者は「世界中に友人を持っていたことが重要」と言った。

この夏、2回目となる「科学教室」を西神戸朝鮮学校で実施した。

朝鮮語、日本語、英語を織り交ぜ、子どもたちが自身で工夫しながらグライダーを飛ばしている姿を見ていると、「実施して良かったな。」「続けられる限りは毎年実施しよう。」と思えた。何より、朝鮮学校と日本の学校の子どもたちが、「あーだこーだ」と言いながら、グライダーを飛ばし合っている姿は見ていて、とても嬉しかった。

「世界中に友人」とまではいかないが、長田に来て以降、近隣の学研教室の先生方には、お世話になりっぱなしだ。協力を惜しまないその姿には、本当に頭が上がらない。

英検、漢検、イベントの実施等、一つ一つ、対話しながら実施してきたことが今では、私のかけがえのない自信になっている。

私自身、親の都合で小学3年時に8か月、アメリカのシアトルに渡った。当然会話がままならず、塞ぎ込んでいる時に、周りとのコミュニケーションを助けていただいたのが、給食室で働かれていた、在米朝鮮人の女性だった。日本語も英語もペラペラで本当に驚いたのを覚えている。

話を伺うと「日本との併合時代に苦労して覚えた日本語を、今あなた達に使っているの。」と笑顔で話された。その後、結婚してアメリカに渡り、シアトルの小学校の給食室で出会った訳だが、最近、ふと思い出す機会が増えた。

あれから30年以上の月日が流れたが、あの方はどうしているだろうか。今の僕は、誰かの役に立っているだろうか。

仲よくすべき近隣諸国に、難しい状況が続いている。息子、娘の時代には、何の気兼ねもなく笑い合える時代が来てほしい。その為に、できることは何なのか。思考し、失敗を恐れず、小さな行動を積み重ねていきたい。

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